奥深く、面白いタトゥーの魅力!!タトゥーは繊細なアート作品!!

タトゥーは自分の体に一生残るアート作品です。人それぞれタトゥーを入れる時には、何かしら自分の思いを持って入れている場合が多いですよね。ここでは、タトゥーの素敵なアート性についてお届けしたいと思います。

現在のタトゥー文化に影響を及ぼした江戸時代の刺青文化

tattoo(タトゥー)

日本の江戸時代後期では、庶民文化が大きく広まり、それと同時に刺青文化も最盛期を迎えます。江戸時代後期以前は、刺青と言っても主にワンポイントで入れる事が殆どだったのに対し、後期に入ると体全体に豪華絢爛な刺青を彫るようになっていきます。背中をキャンバスに見立てて大胆な刺青が施されるのをはじめ、腕、臀部、太ももまで体の広範囲にかけて、絵画を描くかのように豪華絢爛で面白い刺青を入れるスタイルが大きな流行になっていくのです。
この豪華絢爛な刺青ブームのきっかけとなった裏側には、この時代に大ヒットした小説の存在があります。それは、中国の人気小説「水滸伝(すいこでん)」が火付け役となっており、物語にヒーロー達が登場して活躍する内容の小説となっています。

水滸伝(すいこでん)とは?

水滸伝は、江戸時代を代表するベストセラー「南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)」の作者である曲亭馬琴(きょくていばきん)が初編の文章を手掛け、天才絵師として有名であった葛飾北斎(かつしかほくさい)が挿絵を担当した小説です。この小説では、物語に登場してくるヒーロー達を北斎の画力で躍動感溢れるタッチで描かれており、何とそのヒーロー達には見事な刺青が入れられているのです。
さらにおよそ20年後の幕末の奇想であった絵師歌川国芳(うたがわくによし)が「水滸伝」のヒーロー達を描いた浮世絵「通俗水滸伝豪傑百八人之一個(つうぞくすいこでんごうけつひゃくはちにんのひとり)」を発表します。その中のシリーズを代表する1枚である「浪裡白跳張順」には、褌一丁の男性に鮮やかな火を噴く龍が描かれていたり、また、同シリーズの「病大蟲節永」には、背中~腕、太ももに至るまで刺青が入った登場人物が描かれ、背中には睨みの効いた龍が描かれていたりしています。

このように…
「水滸伝」に登場するヒーロー達の全身に描かれた色鮮やで美しい刺青は、当時多くの庶民を魅了して、現在に至る日本の刺青デザインに大きな影響を与えています。加えて、刺青のデザインに浮世絵の技術が取り入れられた事により、当時の彫師の技術は向上し、一層洗練された芸術的な刺青文化が発展した歴史があり、この技術は現在の彫師の技術にも繋がっているのです。

現代におけるタトゥーの在り方について

tattoo(タトゥー)

今やタトゥーは、ファッション感覚としてカジュアルに入れる人が多くなってきていますよね。しかし、従来のタトゥーと言うのは、人を認識する為に活用されていたと言われており、「自分は一体どこから来たものであるのか」「自分は誰であるのか」と言う事を周りの人に主張する事を意味するものだったからです。そう考えると、現在のタトゥー文化におけるファッション感覚と表現は違いますが似ている気もしますよね。
また、やはり今も尚、タトゥー=裏社会と言ったイメージを持つ方もいますが、裏社会の方がタトゥーを入れる行為には、「自分は普通の世間に戻らない」「自分はアウトローに生きる」事への宣言や覚悟を示すものなのです。
このように、タトゥーと言うのは、タトゥーを入れる方の自分自身の本気の覚悟だったり、自分に対する戒めだったり、色々と自分を表現するツールになっているのです。なので、そう言った所に格好良さや大きな魅力を感じている人が沢山いるのです。

日本の刺青技術は世界からも高い評価を得ている

tattoo(タトゥー)

皆さんは、日本の刺青技術は世界から高く評価されている事を知っていますか?現在、タトゥーデザインとして多くの人に人気の龍や花等の華やかで美しいモチーフや、オシャレの一つとして施す刺青は、江戸時代から伝わったものとして昨今再び脚光を浴びています。
その当時は、一時期、犯罪に与える刑罰として刺青が採用されていた頃もありましたが、後に、大工や左官や火消し等の職人に大いに好まれ、そこから庶民にも広く普及するようになり、現在もその文化は日本に息づいています。その一方で、裏組織の象徴や威勢としてのイメージがある刺青は、今でも刺青のイメージに偏見をもってしまっている人がいる事も確かです。
しかし、刺青に対する偏見とは裏腹に、実は、日本の刺青は海外の欧米諸国やアジアではジャパニーズタトゥーと言われており、日本の刺青は非常に人気が高く支持されている事を知っていたでしょうか。日本独特のデザインである鯉、桜、龍、虎等は人気のモチーフで、また、日本人の彫師の高い技術力も大変高く評価されています。

日本の刺青が高く評価されていた面白エピソード

1867年に一旦日本のタトゥー文化に終止符が打たれます。その理由には、先進国の仲間入りを果たす為に、髷、帯刀、刺青を禁じようと政府が決めた為です。しかし、日本の開国後に訪れた外国の人々は、日本人の体に彫られている刺青を見てその美しさに驚嘆したと言われています。なので、日本に来日した記念には、外国人達は日本土産に日本の刺青を彫る人が沢山いました。日本土産に刺青を彫った人の中には、何とイギリスのジョージ5世とアルバート皇子やロシア皇太子もおり、まさに、日本の刺青文化が世界から一目置かれていた事を象徴しています。

世界のタトゥー文化も格式ある歴史が存在する

tattoo(タトゥー)

世界にはトライバルタトゥーと言って、タトゥーの中でも最も歴史のある文化として伝承されているものがあります。トライバルタトゥーのデザインには豊富なデザインが存在し、デザインの解釈はとても多く様々です。世界史、歴史、宗教、文化、時代の流行等、様々な要素と共に誕生してきたトライバルタトゥーは、人々の記憶に残る作品と歴史と共に刻まれています。タトゥーを歴史的観点やデザインが生まれた起源を遡っていくと、トライバルタトゥーには、それぞれに独特の法則性があると言う事がわかり、時代を象徴する豊かで奥深いタトゥーの世界観があります。またそのデザインが人それぞれのアイデンティティと融合する事で一層魅力を放っているのです。
そんな魅力を大きく感じる事が出来るデザインがポリネシアンタトゥーと言われているもので、発祥地域はマオリ・サモア・タヒチ・マルケサス諸島と言われています。ポリネシアンタトゥーは、自分をより魅力的に見せる事がタトゥーのベースとしてありますが、社会的ステイタスを表現するものとしても用いられています。他にも、呪術的、宗教的な意味として入れられている事もあります。

タトゥーは作品一つ一つが魂のこもったオンリーワンの作品

tattoo(タトゥー)

タトゥーと言うのは、世界的に古くから現在に至るまで伝承されている文化です。タトゥーの成り立ちや歴史を知ると、タトゥーの魅力の素敵さや芸術性の高さを感じる人も多くいます。出会う彫師によって、本当に素晴らしいタトゥーを自分の体に彫る事ができるのもタトゥーの素晴らしさです。

タトゥーが芸術であると言える要因とは?

魂がこもった渾身のタトゥー

タトゥーの歴史からも分かるように、タトゥーが誕生したきっかけにはそのタトゥーが意味するものが存在するのです。なので、タトゥーを依頼する人も、依頼されたタトゥーを彫る彫師も、体に自分の思いや魂を吹き込む事と同じなのです。どんなデザインであっても、体に描かれているタトゥーには意味があって唯一無二の芸術作品なのです。
また、彫師としてもタトゥーは腕の見せ所です。タトゥーで描かれる絶妙なライン、調和の取れたデザイン、熟練した色の調合等、巧みの技術でデザインをより一層素敵に仕上げてくれます。デザインを見れば、そこに描かれているアートの繊細さにも気づくはずです。
タトゥーと言うのは、単に体にデザインを彫っているのでは無く、人それぞれに魂のこもった大切な渾身の作品と言えます。